帝国魔法学院の若き天才学者くんとその助手ゴーレムちゃんが魔導書鑑定するお話。
ゴーレムちゃん「マスター、この本の山は?」
学者くん「あぁ、この前発見された遺跡から騎士団の奴らが回収してきた魔導書だよ。」
私達の前には見上げられる程積まれた本の山が。
ゴーレムちゃん「これがすべて魔導書なんですか…?」
学者くん「そうだ、圧巻の一言だろ?」
「しかしドカドカと積み上げたな…流通してる魔導書とは違うんだぞ…」
ゴーレムちゃん「どういうことですか?」
学者くん「あぁ、今この国で流通してる魔導書はここ魔導学院が作成してるもので、勝手な発動したりしないようにセーフティが掛かってるんだ。」
「だけど遺跡にあった魔導書は剥き出しのまま、極端な話いつ発動してもおかしくなかったりするわけだ。」
ゴーレムちゃん「それは…」
学者くん「とりあえずこの本の山にもセーフティを掛けないとな…」
そう言って近づくマスター、その時、本の山が崩れそうになっています!
ゴーレムちゃん「危ないです!マスター!」
学者くん「うおぁ?!」
咄嗟にマスターを庇います。魔導書が崩れて私の上に落ちてきますが問題ありません、私はゴーレムなので。
学者くん「危なかった…」
ゴーレムちゃん「ご無事ですか?マスター?」
学者くん「大丈夫だ、待ってろレム、今どけるからな…」
その時、部屋が一瞬眩く光って…
学者くん「な、なんだ?」
気がつくと、随分と少なくなった本の中に私はいました。
…?何かおかしいです、私の目線がいつもよりずっと低い…?
学者くん「…レム、自分の体見て」
そう言われて見ると私の体がマスターと同年代ぐらいの女の子に…
ゴーレムちゃん「え、えぇ?」
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学者くん「たぶんさっきの魔導書に肉体変化の魔法の物があったんだと思う」
ゴーレムちゃん「はぁ」
学者くん「それがさっき崩れた弾みで発動してしまったってところかな…」
そう言って私から目を逸らすマスター。
私の今の格好が裸にマスターの着ていた白衣だけだからでしょうか
…意識すると何か恥ずかしくなってきました。なんなんでしょうこの感情。
学者くん「大半が消えたのは1回限りの使用制限付きの物か、ただ単に魔導書として成立してなかった物だろうね」
学者くん「とりあえず元に戻すために残った本を片っ端から試してみる。ちゃんと解除できるから安心してくれ。」
ゴーレムちゃん「分かりました、マスター。」
※ここからはダイジェストでお送りいたします
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学者くん「発動!」
ゴーレムちゃん「あれ?」
学者くん「お、これは…?」
自分の服装が変わってます。これは侍女服でしょうか。
学者くん「これは違うか。しかしこれはいいな…」
そういいながらもう一度魔法を発動するマスター。次の服は…ドレスでしょうか?
学者くん「いいねいいね…そうだ、ちょっとポーズとってみてくれないか?」
ゴーレムちゃん「あ、はいこんな感じですか?」
片手を腰に当ててもう片方の手を顎に添えて首を傾げてみます。
学者くん「いいねえー」
いつの間にか記録結晶を持ってるマスター。
そしてもう一度魔法を発動させます。
学者くん「はいまたポーズとってー」
マスターがノリノリです。
ゴーレムちゃん「マスター、そんなに楽しいですか?」
学者くん「おう、レムは何着ても似合うしな。」
さらっと言われました。私の顔は赤くないでしょうか。
ゴーレムの体の時はこんなこと気にすること無かったのに。
そのまま色々な服装でポーズを取ります。何か私も楽しくなってきました。
学者くん「バニースーツか!これは四つん這いになってこっち向いてくれ!」
ゴーレムちゃん「はい♪」
学者くん「制服か!レム、ダブルピースで頼む!」
ゴーレムちゃん「はーい」
学者くん「次は(ry」
数時間後…
ゴーレムちゃん「あ、あのーマスター?」
学者くん「なんだ?まだバリエーションがあるみたいなのだが」
ゴーレムちゃん「そ、それはそれとして」
「マスター、目的、見失ってません?」
学者くん「あっ」
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学者くん「はあっ!」
何度目かの魔法が発動しました。魔法陣が展開し…頭が盛り上がった感じがします。
触ってみると…なんでしょうこれ。
学者くん「…これを書いた魔道士に是非会いたいね。」
ゴーレムちゃん「どうかしましたか?」
学者くん「いや、なんでもない。それにしても
猫耳か…ちょっと触ってみてもいいか?」
ゴーレムちゃん「あ、はい。」
何か変な感じがします…
ゴーレムちゃん「あっ…あの…んっマスター?」
学者くん「どうした?」
ゴーレムちゃん「そ…そろそろ…ひぅっ、やめて、もらえる、と」
学者くん「えー、まだ触ってたいんだけど」
ゴーレムちゃん「ほ、ほんとに…んぅ…ダメなん、ですぅ…」
学者くん「お、おう」
魔法が解除され頭の盛り上がりも治りました。
あのままだったら…変な気が起こりそうでした…
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その他色々な魔導書を試しました。
その中には私を縄で縛ったり触手が出てきてマスターが一瞬で消し飛ばしたり髪型が変わったりするものなどがありましたが結局、私を元に戻すものはありませんでした。
それでも、
学者くん「この中になかったとなると消えた魔導書か…1から解呪魔法を作り上げないとダメだぞ…」
レムちゃん「あのマスター、ふと思ったのですが」
学者くん「なんだ?」
レムちゃん「私、別に戻らなくても良いのではないでしょうか?」
学者くん「…え?」
レムちゃん「いや、この体になって身長も低くなって扉でつっかえることも無くなりますし、手が使えるので他の作業を手伝えますし。」
あとこの姿なら、マスターにもっとくっつけますし…
学者くん「…そうか、そうだな。」
レムちゃん「いいんですか?!」
学者くん「そんなに嬉しいのか?」
レムちゃん「はい!」
学者くん「それならよかった…そうだ、レム」
マスターが手を差し延べます。
学者くん「改めて、よろしくな。」
レムちゃん「…はい」
そう言って手を握ります、マスターと握手できる日がくるなん「痛い痛い痛い!!?」て…え?
学者くん「力は…変わってない…のね…ガク」
ま、マスター!!?
終わり